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薄力粉シフォンのレシピ、米粉にそのまま置き換えて大丈夫? part2

さいたま市で米粉シフォンケーキ教室を主宰しています sweetsmyuのあんざいゆうこです。

昨日のお話の続きを。

薄力粉シフォンのレシピを、米粉のシフォンに置き換える。
私の場合、製作する場所、オーブンも一気に変わってしまったため、調整がとても大変でした。

●粉の選定
ただ、今回は「米粉のシフォンに置き換える」という点だけに絞ってお話していきますね。
当然一番最初は米粉の選定。
以前から使っていた
〇製菓用ミズホチカラ
の他、
〇富澤商店オリジナル
〇新潟県産米粉パウダーライス(薄力粉タイプ)
〇リファリーヌ
の4種類を使ってまずは粉を決めようと思いました。
この時使用したレシピは、薄力粉シフォンのまま。
レシピを決めるのは、とても時間がかかると思ったので、まずは粉を確定して、その粉で美味しく、見栄えもよく焼けるように調整しようと考えたのです。

結果から言うと、リファリーヌ以外の3種類の粉はどれも同じように焼きあがりました。
膨らんだ!というほどではないけど、ありえない。。。というほどではない。
というまあ想定内の結果というか、可でもなく不可でもないという結果。

リファリーヌは段違いに膨らまなかった。。。
これはないなという感じ。

ただどの粉も、薄力粉のレシピを置き換えただけでは、やっぱりふっくら膨らまないのか。。。とがっかりしたのを覚えています。

それでは粉の選定で決定打になったのは何なのか

私は米粉のシフォンケーキ教室で使用したいので、
①生徒の皆さんの購入のしやすさ
近所のスーパーで買えるレベルか、富澤商店さんで購入できる米粉か、ということにしました。
ただ、近所のスーパーで買えるというのは、スーパーが近所にあるかどうかで購入のしやすさが変わってきます。
私の生徒さんの中には、大きなスーパーが近くにはないという方もいらっしゃいます。
対面レッスンの他、通信レッスンも行っていたので、それではダメだなと思いました。

②価格
これは仕事にしている以上切っても切れないものです。
めちゃくちゃ美味しいけれど、単価の高い材料では気軽に作ることができません。
米粉のシフォンケーキというお菓子の性質上、特別な日に作るお菓子というより、毎日気軽に作って食べてほしいと思っています。
それには、できるだけ価格を抑えたいと思いました。

以下は現在の富澤商店さんの各米粉の価格です。
3年前はこれよりは150円くらい安かったように思います。ミズホチカラで580円くらいだったと記憶しています。

〇製菓用ミズホチカラ 1kg 756円
〇富澤商店オリジナル 1kg 766円
〇新潟県産米粉パウダーライス(薄力粉タイプ) 300g 260円 → 1kg換算 867円
〇リファリーヌ    1kg 1134円

これはもう「製菓用ミズホチカラ」か「富澤商店オリジナル製菓用米粉」のどちらかですよね。
選んだのは「製菓用ミズホチカラ」。
当時はミズホチカラのことをあまりよく知らなくて、ブランド米のほうが良いかなくらいに思っていました(笑)
10円でも安い方がよかったしね。
結果、こちらを選んだのは正解だったなと、後から知ることになります。
という訳で米粉は製菓用ミズホチカラ。

●水分の選定
薄力粉のときは水で作っていましたが、米粉では牛乳をチョイスしました。
薄力粉というのは、粉自体に旨味があります。風味というか、味わい深いというか。
米粉にはこの旨味が感じられませんでした。ただ甘みはある。薄力粉より甘いなと思いました。
旨味を感じられなかったので、水で製作してしまうとあっさりしすぎてしまうので、コクのある牛乳にした次第です。

●油の選定
以前はキャノーラ油使用でした。
今回は
キャノーラ油
米油
菜種油
太白ごま油
で悩みましたが、これもコストと、せっかく米粉を使っているのだから米油にしようと思い、米油に決定。

そしてバニラシフォンには少々お値段が張りますが、バニラビーンズを使用してリッチな味わいにしました。
ちなみにバニラビーンズ使用の米粉をシフォンを「バニラシフォン」
バニラオイル使用の米粉シフォンを「プレーンシフォン」
と区別して商品化にしました。

●砂糖の選定
薄力粉のときは主にグラニュー糖で製作していました。
今回はミネラルの入った茶色いお砂糖にしたいなと思っていました。
手軽に購入できる茶色いお砂糖はきび砂糖、黒糖、素焚糖。
黒糖は独特の風味になってしますので、通常でシフォンを作る時には向いていないと思いやめました。
素焚糖は粒子が粗いお砂糖なので、メレンゲを立てるのにちょっと工夫が必要だなと思いました。
私の教室には、シフォンケーキ製作初心者さんも来てくださるので、作りやすいお砂糖が良いなと思い、グラニュー糖のようにサラサラしているきび砂糖に決定しました。

●変更点一覧
使う材料が決まったバニラシフォン。
薄力粉との変更点は
〇薄力粉    → 米粉
〇水      → 牛乳
〇キャノーラ油 → 米油
〇グラニュー糖     → きび砂糖

以上の変更点を一覧にしてみてみると、あることに気付きました。
みんな少し甘めの材料に変わっている点です。
そこでレシピを作るときのきび砂糖の量がだいたい決まりました。
薄力粉で作っていた時よりも減らして作ることにしました。

●粉の量、水分量、油分の調整
これは昨日もお話しましたが、密接な関係があります。
薄力粉のときにはなかった、米粉の吸水率。
これには結構悩まされましたね。
レシピの数値を決めるのもですが、作り方も色々変えました。
でも、このころの私は、米粉の知識を何も持たずに試作を繰り返していたので、数値を少しずつ減らしたり増やしたりしながら整ていくことしかできませんでした。
この試作の順序が違うことを後になって知るのでした。。。

3年前当時で、シフォン製作歴10年は超えていた私ですが、知識は乏しかったなあと今となっては思います。
焼き上がりがふっくらしないので、単純に粉を減らしました。
これが大間違い!!
シフォンケーキを膨らませているのは卵白。
私のシフォンはベーキングパウダーは使用していませんので、卵白の力で膨らませています。
卵白の力でオーブンの中ではきちんと膨らむのに、米粉を減らしてしまったために、柱の強度が弱い米粉シフォンは焼きあがってオーブンから出すと、ぐっと縮んでしまう。
そう!米粉が少なかったために、ふっくら膨らまなかったのです。
シフォンケーキに限らず、粉を使うケーキは粉の存在が柱となります。
特に卵白で作るケーキ類はその柱の存在を重要になってきます。

スフレを思い浮かべていただくとイメージしやすいかな。
スフレには粉はほんのちょっと。
なので、オーブンから出したては、ふっくら焼きあがっています。この数秒が一番美味しく食べていただける時間ということから、焼き上がり10秒で召し上がっていただくお店があるほどです。その後はしぼんでしまうからです。

理屈は一緒。メレンゲで膨らませているシフォンケーキもスフレも、粉の存在が柱となるのです。

勉強不足だった私は、膨らまないのは粉が多くて重いからだと勘違いし、余計に膨らまなくなってしまったのです。
これは同じ米粉を使って比較した場合です。そもそも米粉を変えてしまったら、この理屈だけでは通用せず、吸水率が大きく関わってきます。

水分量はほぼ変えませんでした。
薄力粉の時cc表記だったものを、g表記に変えました。
水cc表記から、牛乳ℊ表記なので、多少の増ではありましたが、それほどの変化ではありません。

油分。これは悩みました。
シフォンのしっとり感。これは水分と油分です。
どちらもしっとりさせてくれる材料ではありますが、私が考えるこの二つの違いは、保湿力だと思っています。

洗顔後、化粧水を使いますよね。
でも化粧水だけだと時間の効果と共に乾燥してきます。
そこで化粧水の後、油分であるクリームなどを使う訳です。

シフォンも同じだと私は思っています。
私の考えでは
ふわふわ → 卵白の量
しっとり →  水分
3日後のしっとり → 油分
です。
出来立てをしっとり食べるのはもちろん、私のシフォンは3日後にもしっとり食べてほしい。
そう思ってオイルを加えています。

とは言え、油分が多いとカロリーも増加するので、最低限の油分にしたい。
ということで、これも数グラム単位で微調整しながら製作し決定しました。
こうして1つのレシピが出来上がる訳です。
実際にはここからがスタートでしたが。。。

最後に
結果薄力粉シフォンのままでは、米粉シフォンは同じようには作れませんでした。
後になって分かったことですが、薄力粉と米粉では粉の比重が違います。
ですので同じ分量では同じようには焼けないのです。
難解だったのは、やはり吸水率。
これが一番悩みました。
ただ、たまたま選んだ製菓用ミズホチカラがそこまで吸水率が多くなく、その点は薄力粉と同じように製作できました。
のちに他の米粉を使用してレッスンをすることになり、米粉の吸水率の違いに愕然とするのでした。
そのお話はまたの機会にしていこうと思います。







by yuyu-to-sa-ta | 2023-12-28 10:22 | 考察 | Trackback | Comments(0)
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