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家庭用電気オーブンで美味しく焼きたい!!と決心し、焼き続けた1か月! つづき

〈データ収集〉
まず、とったデータは
レシピを少しずつ動かして、どんな焼き上がりになるか。

レシピを動かしながら、製作方法も変えてしまったため、これはもう堂々巡りとなりました。
しかし、やっているその時には気づかないもの。
おまけに、オーブンの温度と時間も動かしてしまうので、もうなんだか分からない状態に。

いくら記録と統計をとっても、元になるものがないので、ただ記録しているだけという状態になってしまいました。

⚪︎なにが動かしたからこうなったのか

⚪︎オーブンの温度が違うから?

⚪︎焼き時間が違うから?

⚪︎メレンゲが固かった?もしくは柔らかかった?

もう一回一回あらゆることを変えてしまうので、お手上げ状態。
そして、タイミングが悪いことに、失敗もし始めたのです。

多かった失敗は
⚪︎焼き縮み
⚪︎筒抜け

焼き縮みは、前の記事でもお伝えしましたが、ぶわーっと膨らんで、空気に触れた途端萎んでしまうから出来るもの。
今となっては色々分かることも当時はもう何が悪いのかが分からない状態になってしまっていました。

筒抜け
これが1番悩まされました。
この失敗は、米粉特有じゃないかなぁ。
薄力粉のときはしたことがなかったです。

ちなみに、底上げは米粉はなりにくい失敗のような気がします。
底上げはほとんどしなかったです。 

この筒抜けは本当に厄介でした。
結局この後何年も悩まされましたから。
今は、ほぼしなくなりましたが、それでもたまにやってしまう失敗。
この筒抜けについては、また改めて考察しますね。

1ヶ月後に迫るレッスン再開に向けてあせっていたのですね。

〈新たなデータ収集〉
これではいけないと2週間経って気づき、まず、オーブンの温度と時間は決めてしまおうと思いました。
何かを固定しないと、比較しようがないという簡単なことに気づかないものなのですよね。

ここで、もう一度じっくりオーブンを観察しました。
オーブンの庫内温度をしっかり知りたかったので、富澤商店さんで庫内温度計を購入しました。

まず、180度で焼こうと決めました。
それまで、160.170.180度で焼いてみたのですが、
⚪︎食感が好きな感じに焼き上がった
⚪︎しっとり具合がちょうどいい
⚪︎時間が短く済む
のが主な理由です。

レッスンをする上で3番目の時間が短く済むのはとても大切なことでした。
結局自宅で焼いていた180度25分で焼きたい!と思い、この条件で焼けるレシピにしようと考えを変えたのです。

まず、温度と時間を固定してしまえば、焼き上がりの膨らみやしっとり感などは、レシピで調整できます。

そこで何度も焼成中のオーブンの温度を観察しました。
そこで分かったことが1つ。
これは驚きでしたね。

1つ目は、電気オーブンは予熱完了といっても、設定温度に達していないこと。

2つ目は、180度設定と言ってもずっと180度をキープするのではなく、170度から190度を行ったり来たりすること。

3つ目は、残り時間11分くらいで1番膨らむこと

4つ目は、天板のちょうど真ん中が1番温度のブレが少ないこと

5つ目は、冬と夏では焼成が違うこと

これが分かったのは大きかったですね。
もう何度も何度も張り付いてみてました。

そして、180度25分で焼くには、
⚪︎予熱を多めに取ること
⚪︎天板の真ん中に型を置いて焼くこと
⚪︎焼きムラを防ぐために残り時間12分半で、型を反転させること
でした。

これが決まってからは早かった!
あとはふっくら焼きたいならどうしたら良いか。
メレンゲの硬さを決め、それに合う混ぜにして、焼いて食べて、最終的にレシピ調整という流れになりました。

4. 試作の成果
やっとのことで決まったレシピ。
データ収集を続けるうちに、焼き上がりのムラが少なくなり、シフォンケーキの焼き上がりが好みに近づいていきました。
ここまでで1ヶ月。
オーブンを変えるというのは、こんなにも大変なのかと痛感しました。
今回は薄力粉から米粉への変換という大きな課題も一緒だったので、何を元に試作していいのかがなかなか分からず苦戦しました。

まずは温度と時間!!
これが重要だったことに気づいてからは、とんとん拍子に試作ができました。
やみくもに試作することの意味のなさを痛感した出来事でした。

# by yuyu-to-sa-ta | 2023-12-30 16:22 | Trackback | Comments(0)

家庭用電気オーブンで米粉シフォンケーキを美味しく焼きたい!!と決心し、焼き続けた1か月!

さいたま市で米粉のシフォンケーキ教室を主宰しているsweetsmyuのあんざいゆうこです。

自宅から始めたシフォンケーキ教室。
コロナ渦に自宅教室から専用の工房に移行するタイミングで、什器も一新。
一番調整が大変だったのはオーブン。

自宅教室では、リンナイの卓上ガスオーブンを使用していました。
これは、私が通っているシフォン教室「chiffon chiffon」がこちらのガスオーブンを使用しているからです。

皆さん、シフォンがうまく焼けない時、道具のせいにしちゃったりしませんか?

私はしちゃいます(笑)
ですので、できるだけ先生と同じ環境にして、言い訳をできない環境にしたかった(笑)
その一番の言い訳にしてしまうのがオーブン。
うまく焼けないと
「オーブンのせいかな~」
と思ってしまいがち。。。その言い訳を断ち切るために先生の教室と同じオーブンにしていました。

しかし、移転した工房は賃貸物件なのでガスの工事が難しく、電気オーブンに余儀なくされました。
初めは業務用のオーブンにしようかとも考えましたが、コストや什器の重さ消費電力の面で家庭用電気オーブンにすることに決めました。
今ではその選択が正解だったと、心から感じています。
レッスンに来て下さる皆さんと同じ環境で、一緒に美味しいシフォンを作り上げる喜びを共有できるからです。

今日のブログでは、オーブンにまつわるドタバタをお話しようと思います。


家庭用電気オーブンと戦ったシフォン試作1ヶ月の記録
1.電気オーブンを決めるまで
オーブンを変えるのって勇気がいりますよね?
オーブンが変わるとすべてが変わると言っていいほど、重要なアイテムです。

カタログ取り寄せて研究して、実店舗に行って実物を見て、ネットを見て口コミ見て、また実店舗で研究して。
ものすごくたくさんの時間を費やしました。
最後には型2個持参して、オーブンに入るかどうか確認までしました。
お店の方に
「ちょっとお菓子の型入れてみても良いですか?」
と言って、横に型2個並ぶかなとか縦に並ぶかなとか、一人でぶつぶつ言いながらあーでもない、こーでもないと試させていただきました。
あんまりいろいろなことを聞いたら、店員さんが
「あ💦もっと詳しい者に変わりますね💦」
と言われてしまいました。

結局最後は2択。
Panasonicビストロと東芝 石窯ドーム

このふたつは最後まで悩みました。
結局師匠に相談させていただき決定しました。
Panasonicビストロ
こちらを相棒として迎えました。

2.初めての試作と挫折
オーブンを変えた時に初めにやること。
オーブンのレシピ集通りにシフォンケーキを焼きます。
今のオーブンのレシピ集にはたいていシフォンケーキが掲載されています。
これは、このメーカーの担当者の方が、一生懸命研究して、このオーブンが一番上手にシフォンを焼ける温度と時間を割り出してくれているからです。
なので、とりあえず、レシピ集通りに製作してみます。
そのレシピと、焼き時間と、焼き温度を研究していきます。

ビストロの場合、スチーム焼成でした。
スチーム機能がついているオーブンだったので、そちらを利用してシフォンケーキを焼いていました。
これが膨らむ、膨らむ!!もこもこ、もこもこ面白いくらい膨らみました。
が!!
萎みました。。。
スチームの蒸気で膨らませているので、冷たい空気に触れると萎んでしまった。

ここで注目すべきは
●スチーム機能を使ったこと
●膨らむけど萎む

まずスチーム機能。
これはすべての電気オーブンにある機能ではないこと。
ですので、スチーム機能があるために膨らむような焼成では、受講生のみなさんがご自宅で再現できなくなってしまう。
これではNGですね。

次に、膨らむけど萎む。
これはいわゆる「焼き縮み」につながってきます。
必要以上に膨らんだものは、萎んでしまうのです。
レシピにもよりますが。。。

これが最初の挫折でした。
レシピ集の時間と温度が参考にできない。
これはもう自分で研究していくしかないと思いました。
ここから1か月、がむしゃらに焼く生活が始まります。

焼いては捨て、焼いては捨て。。。
何度焼いても分からない、気づけない、進まない。

なぜならただ焼いているだけだから。
なにも統計もとらず、自分の勘だけを頼りに焼いているから。

そんな時に、コンサルタントの先生から
「きちんと記録をとってください」
と言われ、そこから毎回詳細に記録するようになりました。

なんの記録をとってかというと
①温度と時間 焼き上がり メレンゲの状態
②オーブン庫内の温度の変化
③焼き上がりの膨らみ具合

これをじっと観察し、記録をとっていたら、驚くべきことが分かりました。
この続きはまた明日お話したいと思います。








# by yuyu-to-sa-ta | 2023-12-29 20:50 | Trackback | Comments(0)

薄力粉シフォンのレシピ、米粉にそのまま置き換えて大丈夫? part2

さいたま市で米粉シフォンケーキ教室を主宰しています sweetsmyuのあんざいゆうこです。

昨日のお話の続きを。

薄力粉シフォンのレシピを、米粉のシフォンに置き換える。
私の場合、製作する場所、オーブンも一気に変わってしまったため、調整がとても大変でした。

●粉の選定
ただ、今回は「米粉のシフォンに置き換える」という点だけに絞ってお話していきますね。
当然一番最初は米粉の選定。
以前から使っていた
〇製菓用ミズホチカラ
の他、
〇富澤商店オリジナル
〇新潟県産米粉パウダーライス(薄力粉タイプ)
〇リファリーヌ
の4種類を使ってまずは粉を決めようと思いました。
この時使用したレシピは、薄力粉シフォンのまま。
レシピを決めるのは、とても時間がかかると思ったので、まずは粉を確定して、その粉で美味しく、見栄えもよく焼けるように調整しようと考えたのです。

結果から言うと、リファリーヌ以外の3種類の粉はどれも同じように焼きあがりました。
膨らんだ!というほどではないけど、ありえない。。。というほどではない。
というまあ想定内の結果というか、可でもなく不可でもないという結果。

リファリーヌは段違いに膨らまなかった。。。
これはないなという感じ。

ただどの粉も、薄力粉のレシピを置き換えただけでは、やっぱりふっくら膨らまないのか。。。とがっかりしたのを覚えています。

それでは粉の選定で決定打になったのは何なのか

私は米粉のシフォンケーキ教室で使用したいので、
①生徒の皆さんの購入のしやすさ
近所のスーパーで買えるレベルか、富澤商店さんで購入できる米粉か、ということにしました。
ただ、近所のスーパーで買えるというのは、スーパーが近所にあるかどうかで購入のしやすさが変わってきます。
私の生徒さんの中には、大きなスーパーが近くにはないという方もいらっしゃいます。
対面レッスンの他、通信レッスンも行っていたので、それではダメだなと思いました。

②価格
これは仕事にしている以上切っても切れないものです。
めちゃくちゃ美味しいけれど、単価の高い材料では気軽に作ることができません。
米粉のシフォンケーキというお菓子の性質上、特別な日に作るお菓子というより、毎日気軽に作って食べてほしいと思っています。
それには、できるだけ価格を抑えたいと思いました。

以下は現在の富澤商店さんの各米粉の価格です。
3年前はこれよりは150円くらい安かったように思います。ミズホチカラで580円くらいだったと記憶しています。

〇製菓用ミズホチカラ 1kg 756円
〇富澤商店オリジナル 1kg 766円
〇新潟県産米粉パウダーライス(薄力粉タイプ) 300g 260円 → 1kg換算 867円
〇リファリーヌ    1kg 1134円

これはもう「製菓用ミズホチカラ」か「富澤商店オリジナル製菓用米粉」のどちらかですよね。
選んだのは「製菓用ミズホチカラ」。
当時はミズホチカラのことをあまりよく知らなくて、ブランド米のほうが良いかなくらいに思っていました(笑)
10円でも安い方がよかったしね。
結果、こちらを選んだのは正解だったなと、後から知ることになります。
という訳で米粉は製菓用ミズホチカラ。

●水分の選定
薄力粉のときは水で作っていましたが、米粉では牛乳をチョイスしました。
薄力粉というのは、粉自体に旨味があります。風味というか、味わい深いというか。
米粉にはこの旨味が感じられませんでした。ただ甘みはある。薄力粉より甘いなと思いました。
旨味を感じられなかったので、水で製作してしまうとあっさりしすぎてしまうので、コクのある牛乳にした次第です。

●油の選定
以前はキャノーラ油使用でした。
今回は
キャノーラ油
米油
菜種油
太白ごま油
で悩みましたが、これもコストと、せっかく米粉を使っているのだから米油にしようと思い、米油に決定。

そしてバニラシフォンには少々お値段が張りますが、バニラビーンズを使用してリッチな味わいにしました。
ちなみにバニラビーンズ使用の米粉をシフォンを「バニラシフォン」
バニラオイル使用の米粉シフォンを「プレーンシフォン」
と区別して商品化にしました。

●砂糖の選定
薄力粉のときは主にグラニュー糖で製作していました。
今回はミネラルの入った茶色いお砂糖にしたいなと思っていました。
手軽に購入できる茶色いお砂糖はきび砂糖、黒糖、素焚糖。
黒糖は独特の風味になってしますので、通常でシフォンを作る時には向いていないと思いやめました。
素焚糖は粒子が粗いお砂糖なので、メレンゲを立てるのにちょっと工夫が必要だなと思いました。
私の教室には、シフォンケーキ製作初心者さんも来てくださるので、作りやすいお砂糖が良いなと思い、グラニュー糖のようにサラサラしているきび砂糖に決定しました。

●変更点一覧
使う材料が決まったバニラシフォン。
薄力粉との変更点は
〇薄力粉    → 米粉
〇水      → 牛乳
〇キャノーラ油 → 米油
〇グラニュー糖     → きび砂糖

以上の変更点を一覧にしてみてみると、あることに気付きました。
みんな少し甘めの材料に変わっている点です。
そこでレシピを作るときのきび砂糖の量がだいたい決まりました。
薄力粉で作っていた時よりも減らして作ることにしました。

●粉の量、水分量、油分の調整
これは昨日もお話しましたが、密接な関係があります。
薄力粉のときにはなかった、米粉の吸水率。
これには結構悩まされましたね。
レシピの数値を決めるのもですが、作り方も色々変えました。
でも、このころの私は、米粉の知識を何も持たずに試作を繰り返していたので、数値を少しずつ減らしたり増やしたりしながら整ていくことしかできませんでした。
この試作の順序が違うことを後になって知るのでした。。。

3年前当時で、シフォン製作歴10年は超えていた私ですが、知識は乏しかったなあと今となっては思います。
焼き上がりがふっくらしないので、単純に粉を減らしました。
これが大間違い!!
シフォンケーキを膨らませているのは卵白。
私のシフォンはベーキングパウダーは使用していませんので、卵白の力で膨らませています。
卵白の力でオーブンの中ではきちんと膨らむのに、米粉を減らしてしまったために、柱の強度が弱い米粉シフォンは焼きあがってオーブンから出すと、ぐっと縮んでしまう。
そう!米粉が少なかったために、ふっくら膨らまなかったのです。
シフォンケーキに限らず、粉を使うケーキは粉の存在が柱となります。
特に卵白で作るケーキ類はその柱の存在を重要になってきます。

スフレを思い浮かべていただくとイメージしやすいかな。
スフレには粉はほんのちょっと。
なので、オーブンから出したては、ふっくら焼きあがっています。この数秒が一番美味しく食べていただける時間ということから、焼き上がり10秒で召し上がっていただくお店があるほどです。その後はしぼんでしまうからです。

理屈は一緒。メレンゲで膨らませているシフォンケーキもスフレも、粉の存在が柱となるのです。

勉強不足だった私は、膨らまないのは粉が多くて重いからだと勘違いし、余計に膨らまなくなってしまったのです。
これは同じ米粉を使って比較した場合です。そもそも米粉を変えてしまったら、この理屈だけでは通用せず、吸水率が大きく関わってきます。

水分量はほぼ変えませんでした。
薄力粉の時cc表記だったものを、g表記に変えました。
水cc表記から、牛乳ℊ表記なので、多少の増ではありましたが、それほどの変化ではありません。

油分。これは悩みました。
シフォンのしっとり感。これは水分と油分です。
どちらもしっとりさせてくれる材料ではありますが、私が考えるこの二つの違いは、保湿力だと思っています。

洗顔後、化粧水を使いますよね。
でも化粧水だけだと時間の効果と共に乾燥してきます。
そこで化粧水の後、油分であるクリームなどを使う訳です。

シフォンも同じだと私は思っています。
私の考えでは
ふわふわ → 卵白の量
しっとり →  水分
3日後のしっとり → 油分
です。
出来立てをしっとり食べるのはもちろん、私のシフォンは3日後にもしっとり食べてほしい。
そう思ってオイルを加えています。

とは言え、油分が多いとカロリーも増加するので、最低限の油分にしたい。
ということで、これも数グラム単位で微調整しながら製作し決定しました。
こうして1つのレシピが出来上がる訳です。
実際にはここからがスタートでしたが。。。

最後に
結果薄力粉シフォンのままでは、米粉シフォンは同じようには作れませんでした。
後になって分かったことですが、薄力粉と米粉では粉の比重が違います。
ですので同じ分量では同じようには焼けないのです。
難解だったのは、やはり吸水率。
これが一番悩みました。
ただ、たまたま選んだ製菓用ミズホチカラがそこまで吸水率が多くなく、その点は薄力粉と同じように製作できました。
のちに他の米粉を使用してレッスンをすることになり、米粉の吸水率の違いに愕然とするのでした。
そのお話はまたの機会にしていこうと思います。







# by yuyu-to-sa-ta | 2023-12-28 10:22 | 考察 | Trackback | Comments(0)

薄力粉シフォンのレシピ、米粉にそのまま置き換えて大丈夫?

さいたま市で米粉のシフォンケーキ教室を主宰しているあんざいゆうこです。

今日から2日の分けて、薄力粉シフォンを米粉シフォンに変えるには?
をテーマにお話したいと思います。

私がシフォンケーキ教室を始めたのはいまから5年前。
当時は自宅で、薄力粉シフォンをレッスンする教室でした。
コロナ渦、私はたぶんどの先生よりも早く教室をお休みしました。
自宅教室だったため、家族から生徒様への感染、生徒様から家族への感染が怖かったからです。
当時我が家の長男は、小学校の教員をしており、3年生を担任していましたので、私や私の仕事関係からの感染は避けたかった。
そのため、まだまん延する前の2月に、教室をお休みすることを決定しました。
その1年後、まだコロナ渦でしたが、菓子製造許可をとった専用工房に教室を引っ越しました。
その時から薄力粉シフォンをやめ、米粉シフォンに移行しました。

生徒さんにもよく
「なぜ米粉に変えたのですか?」という質問をされます。

私のシフォンの原点は、東京の「chiffon chiffonお菓子教室」の中山真由美先生のシフォン教室です。
ずっと、先生の薄力粉シフォンを元に、新作レシピを考えていましたが、専用工房設置を良い機会に、先生のレシピから卒業し、完全にオリジナルに変えたくなったからです。
こんなに米粉が流行る前に米粉に移行し、悪戦苦闘しながら米粉シフォンを研究できたのはとても良かったと思います。

さて、薄力粉シフォンから、米粉シフォンに移行した私だからこそ、その違い、戸惑いをお伝えできると思い、今日はこちらをテーマにしてみました。
本日は、薄力粉から米粉への変換について考察してみましょう。

●薄力粉シフォンケーキの特性
まず薄力粉シフォンの特性を考えていきましょう。
薄力粉は、シフォンケーキに軽やかな食感、ふわふわな食感をもたらしてくれます。
特に私は「ファリーヌ」という北海道産の薄力粉を使用してシフォンケーキを製作していたので、ふわふわな食感だけど、しっとり焼きあがるという特性がありました。
薄力粉の特性を活かすことで、ふんわりとした食感と小麦の甘み、旨味を楽しむことができるシフォンでした。
また日を追うごとに味が整い、使用した材料同士が馴染み、製作した3日目くらいが一番美味しくなるシフォンでした。

●米粉の特性
次に米粉の特性を考えてみましょう。
米粉は、その独特の風味や食感があります。
小麦粉よりも、もちもちとした食感が特徴で、グルテンにアレルギーを持つ方にも安心して召し上がっていただけるお粉です。
米粉は、粉の種類によって吸水率が全く異なるのが特徴です。
白米が品種によって吸水率が異なるのと同じ現象が米粉にも起こります。

●薄力粉から米粉へのレシピ変換
ここからは、私が米粉に切り替えた時の経験談になってしまうので、もしかしたら、多くのサイトで記載していることや、他の米粉シフォンの先生とは違う見解があるかもしれません。その点はご承知おきください。
この3年で、私が苦労してきた点などをお話していこうと思います。

結果から言うと、単純に置き換えができませんでした。

17cmホールでシフォンケーキを焼く場合
〇薄力粉の時より米粉を増やした
〇薄力粉の時より水分を減らした
〇薄力粉の時より油分を減らした
〇薄力粉の時より卵白を増やした
です。

私が使用しているのは、製菓用米粉「ミズホチカラ」です。
私が今回お話するのは、この製菓用ミズホチカラを使用した場合にのみ適用します。
なぜなら、米粉は薄力粉と異なり、使う米粉によって全く違うからです。

今のレシピは、実際にレッスンでお伝えしているレシピとはほんの少しだけ違いますが、YouTubeなどで公表しているレシピは以下の通りです。

17cmホール
卵黄 60g
牛乳 65g
米油 40g
米粉 80g

卵白 145g
砂糖 70g
です。

これもこの3年で何度となく変えてきたレシピです。
製菓用ミズホチカラで製作した場合、上記のレシピが今まで作ってきた薄力粉シフォンの食感と一番近いような気がします。

求めるシフォンの食感によっても違うと思いますが、私の作りたい米粉シフォンは
〇モチモチ感は押さえる
〇軽い食感
〇しっとりして、とろける食感
です。

求める焼き上がりは、蒸かした肉まんのようなふっくり、ぷっくりした膨らみのある焼き上がり

です。要は米粉には移行したけれど、
「これが米粉のシフォン?!」
という食感のシフォンにしたかったのです。

米粉のシフォンと言うと、たいがいもちっと、ぎっしり、重たいシフォンを想像される方が多いように思います。
この概念も壊したかった。
そこで、ずっと作り続けてきた、薄力粉シフォンのような米粉シフォンを作ることに従事しました。

長くなってきたので、本日はここまで。
私が苦労したレシピ作り、米粉の違いによる食感の違いについてお話します。

# by yuyu-to-sa-ta | 2023-12-27 21:30 | Trackback | Comments(0)

米粉と小麦粉アレルギー

さいたま市で米粉シフォン教室を主宰している sweets myu のあんざいゆうこです。
今日は、米粉と小麦粉アレルギーについてのブログです。

私が今作っているのは米粉のシフォンケーキ。
昨今小麦粉アレルギーの方が増えてきています。

私が薄力粉のシフォンから、米粉のシフォンに移行したのは、アレルギーとはまったく関係ありません。
教室開業当初から私の教室に通ってくださっている生徒さんから、「ミズホチカラ」という米粉を使って、米粉のシフォンを作ってくれませんか?
というご依頼をいただいて、薄力粉シフォンをレッスンする傍ら、米粉のシフォンをレッスンしていたのがきっかけです。

現在の工房に仕事場の移転と同時に米粉シフォン専門に移行しました。

米粉シフォンをレッスンにするにあたり、米粉についても勉強しました。
レッスンで生徒さんと米粉についてお話していくうちに、小麦粉アレルギー と グルテンフリー を混同している方がとても多い印象を感じました。
これはとても怖いことです。

米粉を使用しているのであれば、小麦粉アレルギーの方が全員食べることができると勘違いされているからです。
そこで、今回米粉についてと、小麦粉アレルギーについて考察していきたいと思います。

まず、米粉の特性についてからまとめていきたいと思います。

1.米粉の特性
〇食感
米粉は独特のもちもちとした食感があります。
この食感は、小麦粉に比べて弾力性が非常に高いです。

〇アレルギー対応
小麦アレルギーを持つ人、グルテンフリーの食事を求める人にとって、米粉はとてもよい食材です。
米粉はグルテンフリーであり、アレルギー反応のリスクが低いです。

〇栄養価
米粉には、ビタミン、ミネラル、食物繊維が含まれています。

〇色と風味
小麦粉が黄色っぽいのに対し、米粉は白っぽい色合いで、穏やかで優しい風味があります。

〇水分の吸収
米粉は水分をよく吸収する特性があります。
このため、レシピを調整する際には、水分量に注意が必要です。


2. 小麦粉アレルギーとは?
小麦粉アレルギーとは、小麦に含まれる特定のタンパク質に対する免疫反応を引き起こす疾患である。
小麦粉アレルギーとグルテンフリーは、混同されることが多いですが、それぞれ異なる意味を持っています。
以下に、両者の関係性と違いを説明します。

〈定義の違い〉
●小麦粉アレルギー
   小麦に含まれる特定のタンパク質に対する免疫反応によって引き起こされるアレルギー

●グルテンフリー
   グルテンという特定のタンパク質を含まない食品。
   グルテンは主に小麦、大麦、ライ麦に含まれるタンパク質であり、グルテンフリーとはグルテンを含まない食品

〈対象となる食品〉
●小麦粉アレルギー
   小麦やその他の小麦由来の食品(パン、パスタ、クッキーなど)に注意が必要

●グルテンフリー
   小麦、大麦、ライ麦のほか、これらの穀物から作られる食品全般を避けることが必要
   例えば、オートミールもグルテンを含む場合があるため、グルテンフリーを求める場合は、専用のものを選ぶことが必要

〈目的の違い〉
●小麦粉アレルギー
   免疫系の反応を引き起こす可能性があるため、小麦や小麦由来の食品を完全に避けたほうがよい

●グルテンフリー
   グルテンを摂取することによる健康上の問題や、グルテンに対する不耐症を持つ人々のために、グルテンを含まない食品を選ぶことが推奨

要するに、小麦粉アレルギーとは特定のタンパク質に対するアレルギーであり、グルテンフリーはグルテンを含まない食品を摂取することを目的とする食生活を指します。

では、小麦粉アレルギーを引き起こす主なタンパク質にはどんなものがあるのでしょうか?

A.グルテン
     グルテンは小麦の主要なタンパク質の一部で、アレルギー反応を引き起こす主な要因となる
     グルテンには、α-グリアジンとグリアジンの2つの主要なタンパク質が含まれている

B.グリアジン
     グリアジンはグルテンの主要な成分の一つで、小麦粉アレルギーを持つ人々に対するアレルゲンとしての役割を持っている


C. セリンプロテアーゼインヒビター
     小麦にはこのタンパク質が含まれており、一部の人々に対してアレルギー反応を引き起こす可能性があると考えられている

D. アミラーゼトリプシンインヒビター
     これも小麦に存在するタンパク質の一つで、アレルギーの原因となる可能性が報告されている

これらのタンパク質が体内に取り込まれると、特定の免疫反応が引き起こされ、小麦粉アレルギーの症状が現れる可能性があります。
  
ただし、ここで重要なのは、小麦粉アレルギーの方が、何のタンパク質に反応して、アレルギー反応を起こしているかということです。
グルテンフリーはグルテンが含まれていないだけです。
逆にいえば、グルテンのアレルギーを持っていない小麦粉アレルギーの方は、グルテンは食べても大丈夫なのです。

具体的な原因となるタンパク質や成分については、個々のアレルギー反応や症状、研究の進行状況などによって異なる場合があります。
これらの食物の摂取は、どのタンパク質に反応してアレルギーを引き押しているのかを診断し、医師や専門家のアドバイスを受け、適宅に管理することが重要です。

3. 両者の違いを明確に
小麦粉アレルギーとグルテンフリーは、異なる概念である

小麦粉アレルギーは、特定のタンパク質へのアレルギー反応
グルテンフリーは単にグルテンを含まない食品や食生活を指す


4. まとめ
小麦粉アレルギーとグルテンフリーは、それぞれ異なる背景と意味を持つ重要な概念です。
アレルギーは一歩間違えて対応してしまうと、生命に危険が生じます。

小麦粉アレルギーの方全員に米粉シフォンが食べられるものではありませんが、グルテンのアレルギーを持っている方には安心して召し上がっていただけるお菓子です。
今までケーキを食べられなかった方にもご提供できます。

反対にグルテンにアレルギーを持っていなければ、薄力粉のシフォンを食べることができることもあります。
大切なのは、正しい知識を持つことです。

アレルギーをお持ちでなくても、健康的な理由で、小麦粉の摂取を控えていらっしゃる方々もいます。

米粉は、アレルギーに対する課題や健康志向の食生活を求める方々にとって、大変便利な食材として近年注目されています。
正しい知識と理解を持ち、より健康的で楽しい食生活をしていけるとよいですね。

# by yuyu-to-sa-ta | 2023-12-26 21:59 | Trackback | Comments(0)